「受け継ぐ」 シスター入江純子
テーマ「受け継ぐ」
神戸にも雪が積もりました。10年ぶりの大雪で朝の早い仕事の方は大変だったようです。坂が多く車を下に止めて荷物を担いで配達しておられました。
私も日本海側の若狭で小学生の時を過ごしました。1・2年生の頃だったか、大雪で学校に行けないと村の人たちがその雪を踏みつけて人が一人通れるほどの道を学校まで固めてくれていました。母は私をおんぶし、マントを着て学校まで連れて行ってくれたのを今も思い出します。あなたたちも今までに親御さんや近所の人たちから忘れられない大事なものをいただいているでしょう。
2月のテーマは「受け継ぐ」ですが、私たちはおかれた場で何を受け継いで、何を受け渡していくのでしょか。イエス様の山上の説教は、選ばれた弟子たちに対して教えの中心点、本質を示しています。教えの神髄だけを抜き出したものです。イエス様が腰を下ろされると弟子たちが近くに寄ってきた。そこでイエス様は口を開いて、心と心の触れ合いの中で親しく教えられました。
心の貧しい人は幸いである。悲しむ人は幸いである。柔和な人は幸いである。とあるように幸いについて話しておられます。
柔和な人の幸いは地を受け継ぐとあります。この地とは何でしょうか。弟子たちは復活されたイエス様にガリラヤで会います。イエス様は近寄ってきて「わたしは天と地の一切の権能を授かっている」(「マタイによる福音書」第28章18節)と話されました。そして続いて「わたしは世の終わりまで、いつもあなた方と共にいる」と。
あなたと共に居たいと願って神のひとり子が人となられたのですね。ですから、私のために今ここにある「幸い」を受け継ぎ、受け渡すのです。それには「柔和」であることが条件です。柔和にすべてを受け入れた方の生涯の詩を紹介しましょう。
かなえられない祈りはない(無名兵士の祈り)
大きなことを成し遂げるために、
力を与えたほしいと神に求めたのに、
謙遜を学ぶようにと、弱さを授かった。
偉大なことができるように、健康を求めたのに、
よりよいことをするようにと、病気を授かった。
幸せになろうとして、富を求めたのに、
賢明であるようにと、貧しさを授かった。
世の人の賞賛を得ようとして、成功を求めたのに、
神の助けを知るように、失敗を授かった。
人生を享楽しようと、あらゆるものを求めたのに、
あらゆることを喜べるようにと、命を授かった。
求めたものは、一つとして与えられなかったが、
願いは、すべて聞き届けられた。
神の意に、添わぬものであるにもかかわらず、
心の中のいい表せない、祈りは、
すべて かなえられた。
私は、あらゆる人の中で、もっとも豊かに
祝福されたのだ。
1年生・2年生の皆さん、この学校で受け継いできたものは何ですか。それをどのように受け渡しますか。
今ほとんどの人がスマホをもっていますね。ニュースにもあるように、組織をつくって悪用をしていることが伝えられています。あなたたちはスマホを使って相手の喜びとなるようなメッセージを送ってください。きっと柔和な人の喜びが伝わるでしょう。
シスターのお願い
シスターの携帯は、 らくらくフォーン です。あなたたちの携帯は、アイ(愛)フォーンであってくださいね。